外壁にコケ! どうする?|自分でできる対処法とメンテナンス費用を解説
外壁のコケが急に目立ちはじめて、建物が古く見えることがありませんか?
外壁は常に風雨にさらされて汚れやすく、そのままにしているとコケやカビが生えてきます。
コケやカビをどのように除去すればよいか、わからない方も少なくないでしょう。
そこで今回は、コケやカビの生える要件や建物に与える影響、自分で対処できる方法や業者依頼の場合の費用相場などについてご紹介します。
目次
コケ(藻・カビ)の原因と生えやすいポイントと対策
油断するとどんどん範囲が広がってしまうコケやカビは、どのような要因で生えてしまうのでしょうか。
原因と生えやすいポイントをご紹介します。
原因は塗膜の劣化
外壁にコケ(藻・カビ)が生える原因は、塗膜の劣化にあります。
外壁には耐久性を保つために、防水や防汚のための塗膜が散布されています。
しかし、紫外線や風雨にさらされていくうちに塗膜が劣化して耐久性が低下し、汚れが付きやすくなったり、水分を吸水しやすくなったりします。
外壁に湿気が多い状態が続くことで、コケや藻、カビが出やすくなります。
コケによるデメリット
外壁のコケを放置すると、緑色に変色したり黒ずんだりなど、美観を損ねて建物が築年数以上に古く見えてしまいます。
また、コケは湿気を含むことで広がるため、建物にも悪影響を及ぼし劣化を早めるリスクがあります。
ニオイが発生したり、害虫が生息したり、雨漏りに繋がるなど、建物の寿命にも影響してしまいます。
生えやすいポイント
コケが生えやすい要件には、次のようなポイントが挙げられます。
① 水や汚れがたまりやすい場所ほど生えやすい
コケ、藻、カビなどは湿気の多い場所を好みます。
そのため、北側の壁や雨どい周辺、ベランダなど水が乾きにくく湿気と汚れがたまりやすい場所に生えやすいといえます。
日当たりが悪く水はけが遅い場所は、こまめな掃除が大切です。
② 建物の立地環境
建物の立地環境として、川や池、田んぼの近くなどの湿気がある場所や、風通しの悪いくぼ地、森や林のそばで日当たりが悪い場所などでは、どうしても乾燥しにくくコケが生えやすいといえます。
こまめな掃除や建物の周囲に軽石をまいたり、垣根で湿気が入り込まないようにしたりなどの工夫が必要です。
③ 建材ごとの生えやすさ
外壁の素材によって、コケが生えやすいものがあります。
モルタル壁やリシン壁、ALC壁や窯業系サイディングなどは、表面に汚れが残りやすく劣化が進むとコケが生えやすい環境になりがちです。
コケが生えやすい立地環境なら、これらの素材は避けた方がよいでしょう。
ただしこれらの素材であっても、表面にフッ素やシリコン系の塗料で塗膜を作ることで、コケを生えにくくすることが可能です。
外壁材の種類でコケが生えにくいのは、表面に凹凸が少ない金属系サイディングやタイルなどになります。
立地環境に不安がある場合は、建材の検討がおすすめです。
自分でできるお手入れ方法|よくある質問と注意点
外壁にコケが生えたときに自分で対処できるお手入れ方法と、その注意点をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
軽い汚れはお風呂用の洗剤で掃除できる?
まだ軽い汚れのうちは、お風呂用の洗剤で落とすことができます。
やわらかいスポンジで、外壁表面の塗膜を傷つけないようにやさしく落とすのがポイントです。
少し頑固な汚れは「外壁用」のカビ取り専用の洗剤を使って落とします。
ベランダの側溝など防水処理がしっかりしている箇所には、50℃程度のお湯をかけて一旦浮かしてから取り除くがよいでしょう。
いきなり熱湯をかけるのは避けましょう。
カビキラーやハイターなどの塩素系漂白剤は使える?
市販のカビキラーやハイターなど塩素系漂白剤は、外壁素材を傷める可能性がありますのでおすすめしません。
変色する恐れもありますので、使わないようにしましょう。
ケルヒャーなどの高圧洗浄を自分でしてもいい?
ケルヒャーなどの高圧洗浄を自分の判断で行うのは危険です。
外壁の塗膜を洗浄で剥がしてしまう可能性があることや、防水性がない外壁の場合、内部に水が侵入する恐れがあります。
高圧洗浄は、外壁塗装前の下処理としては、きちんと行うことで塗膜を密着させる効果がありますが、コケ掃除では避けましょう。
高所作業を自分でやってもいい?
高所作業を自分で行うことは大変危険ですのでやめましょう。
安易にハシゴや脚立で作業をして足を踏み外したり、倒れたりして大きな事故に繋がることがあります。
高所作業は専門業者に任せましょう。
コケをしっかり落とせば塗装しなくても大丈夫?
コケを落とすことができたとしても、塗膜の劣化が進んでいる場合は、またすぐに生えてきてしまいます。
そもそもコケを防ぐには、外壁の塗り替えが必要です。
業者に頼んだ場合のメンテナンス内容と費用相場
ここからは、コケ落しを業者に依頼した場合の施工方法と費用相場についてご紹介します。
高圧洗浄
高圧洗浄により、コケやカビを除去します。
高圧洗浄だけでもある程度はキレイに落とすことが可能なことも多く、塗り替え前の洗浄としても有効です。
内容 | 費用相場 |
高圧洗浄 | 100円~350円/㎡ |
足場施工費 | 600円~1,000円/㎡ |
養生費 | 350円~550円/㎡ |
バイオ高圧洗浄
バイオ洗浄は、高圧洗浄をしてからコケなどの発生を防ぐバイオ洗剤を外壁に塗装するものです。
洗剤の効果でコケなどの発生に効果があります。
内容 | 費用相場 |
バイオ高圧洗浄 | 200円~450円/㎡ |
足場施工費 | 600円~1,000円/㎡ |
養生費 | 350円~550円/㎡ |
外壁塗装
高圧洗浄で汚れを落としきってから、塗装する方法です。
防カビ効果のある塗料などを使い、施工後のカビ、コケの発生を防ぎます。
内容 | 費用相場 |
高圧洗浄 | 100円~350円/㎡ |
足場施工費 | 600円~1,000円/㎡ |
養生費 | 350円~550円/㎡ |
塗装費用 | 3,800円~6,500円/㎡ |
屋根塗装
屋根塗装の場合も、外壁と同じく高圧洗浄の後に塗装工事を行います。
防カビ塗料を使うことで、施工後のカビやコケの発生を防ぎます。
内容 | 費用相場 |
ウレタン塗装 | 1,500円~2,000円/㎡ |
シリコン塗装 | 1,700円~2,500円/㎡ |
フッ素塗料 | 3,200円~4,800円/㎡ |
外壁材・屋根材による違い
素材によるコケの除去費用の違いは次の通りです。
内容 | 費用相場 |
窯業系サイディング | 6万円~30万円 |
カルバリウム鋼板 | 6万円~25万円 |
モルタル | 4万円~55万円 |
漆喰 | 20万円~80万円 |
コンクリート | 4万円~100万円 |
タイル・レンガ | 10万円~50万円 |
外壁のコケ除去の費用を少しでも安く抑えるコツ
外壁のコケ除去費用を安くするためには、コケを生えにくくする環境にすることが大切です。
家の周囲から鉢植えなどを撤去して、普段から風通しをよくしておきましょう。
外壁塗装に使える補助金や助成金などの活用もおすすめです。
また、塗り替えの治療は防汚塗料など一定のカビ、コケ防止の機能も持つ素材にすると、次回の塗り替えメンテナンスも少なく済みます。
リフォーム費用として火災保険が使える場合もありますので、検討してみましょう。
まとめ
今回は、コケやカビの生える要件や自分でできる除去方法と注意点、業者に依頼する場合の費用相場などについてご紹介しました。
カビやコケは少ないうちに対処することで、被害を最小限にすることができます。
早めに対策を行い、コケが生えにくい環境を整えましょう。
- 2023年10月4日