台風被害のリフォームで保険は使える? 注意点や進め方
住宅が台風被害にあったとき、リフォーム費用は保険が使えるのか心配に思っている方は多いのではないでしょうか。
近年は台風だけではなく、集中豪雨の被害もよく目にします。
そこで今回は、台風被害のリフォーム費用の相場や利用できる保険の種類、申請方法や注意点などについてご紹介します。
この機会にしっかりと理解しておき、いざというときにお役立てください。
目次
台風による住宅被害とリフォーム費用相場
はじめに、近年の台風による住宅被害の現状とリフォームした際の費用相場をご紹介します。
暴風による飛来物による破損
台風といえば強烈な風です。暴風による飛来物などにより、窓が割れたりトタン屋根、瓦屋根、外壁が飛ばされたりする被害が代表的でしょう。
車庫などに使われているシャッターも、暴風時はめくれて飛ばされるなどとても危険です。
被害内容 | 費用相場 |
窓の破損 | 5万円~30万円 |
屋根の破損 | 5万円~60万円 |
雨どいの破損 | 5万円~15万円 |
豪雨や洪水による浸水被害
近年、被害が増えているのが集中豪雨による洪水や浸水被害です。
台風とともに線状降水帯が発生すると、記録的短時間大雨(数年に一度程度しか起こらないような猛烈な雨が観測された場合に気象庁が発表する大雨情報)につながり、今まで水害が起きたことのない地域でも洪水、浸水が起こる場合があります。
洪水、外水はん濫は、主に河川が増水することにより危険度が高くなりますが、内水はん濫は、記録的短時間大雨などによりその地域の排水が追い付かなくなりどんどん水が溜まってしまうものです。
浸水すると、主に床下から1階部分は水に浸かってしまい泥が堆積することや家財道具に被害が出ます。
被害内容 | 費用相場 |
床下浸水 | 20万円~50万円 |
床上浸水 | 50万円~300万円 |
屋根や外壁の破損による二次的な雨漏り被害
屋根、外壁が破損することの二次的被害として雨漏りがあります。
たとえ台風で破損がなかったとしても、もともと劣化が進んでいたところから予想もしない降雨により雨漏りが発生することも珍しくありません。
被害内容 | 費用相場 |
屋根雨漏り | 20万円~100万円 |
天井雨漏り | 10万円~20万円 |
外壁雨漏り | 10万円~60万円 |
落雷や土砂による住宅損傷
台風のように荒れた天候の場合、落雷による住宅破損の可能性もあります。
また、大量の雨により地盤が緩み土砂崩れが起きるリスクも高まります。
住宅が建つエリアの地盤が問題ないとしても、上流から土砂崩れが起きる可能性もあります。
被害内容 | 費用相場 |
落雷 | 10万円~100万円 |
台風被害リフォームで利用できる補償制度
台風被害でのリフォームに利用できる火災保険をご紹介します。
台風被害に使える保険は火災保険
台風による被害の場合に個人で使える保険は「火災保険」です。
「火災共済」も利用できることが多いでしょう。
ただし火災共済の場合は、共済組合に台風被害が対象であるかの確認が必要です。
なお、災害の規模が甚大な場合などは国、自治体からの補助金や補償が受けられる場合もあります。
ここでは、主に火災保険について詳しく解説します。
火災保険が利用できるケース
火災保険は、主に「建物」と「家財」に被害があった場合に利用できます。
建物では、飛散物により窓ガラスが割れたり、屋根・外壁・雨どい・カーポートの一部などが破損したりした場合などです。
浸水により床や壁の取り換えが必要な場合も含まれます。
家財では、浸水や落雷などにより家具・家電が使えなくなったり、自転車やバイクなどが破損したりする場合などに利用できます。
加入している保険の種類や補償金額などにより対象となる範囲が異なりますので、あらかじめ加入内容を保険会社に確認しておきましょう。
火災保険がおりないケース
建物の老朽化や欠陥が原因で発生した被害は対象外となります。
また、修理費用が20万円以下の場合や、瞬間最大風速が20m以下の場合も保険適用になりません。
また、窓の閉め忘れによる家財の被害や自家用車の水没なども火災保険の範囲内には含まれないため注意が必要です。
注意したいのは、対象となる被害であっても請求までに3年以上経過した場合は利用できません。
書類の不備がある場合も手続きが完了できないため保険がおりません。
再提出までに期限切れにならないよう、余裕を持って申請しましょう。
火災保険は加入している火災保険の種類、補償内容により保険の範囲が異なります。
フランチャイズなどの保険では一般的な保険会社と要件が違うこともありますので事前に必ず確認しましょう。
火災保険の申請方法や受け取りの流れと注意点
火災保険を利用する際の申請方法と受け取り方の流れ、注意点などをご紹介します。
保険会社に連絡し申請用紙をもらう
まず、被害にあったときは加入する保険会社に連絡して申請用紙を準備します。
保険会社によってはネットから受付をする場合もあります。
連絡する際は、保険内容や補償の範囲、必要な書類などを確認します。
広範囲の地域に被害が出ている場合は、混み合うこともあるためできるだけ早めに動きましょう。
申請に必要な被害状況の写真を用意する
申請時に必要な書類の一つに「被害状況の写真」があります。
どのような被害であっても基本的には写真が必要となりますので、状況が変わる前に写真を撮っておきましょう。
リフォームしてから撮影した写真では、被害状況が認められないケースもあるため注意が必要です。
リフォーム業者に修理見積もりを依頼
大規模な災害になるほど、保険金をだまし取る悪質な代行業者が訪問してくるリスクが高まります。
信頼できる地元の業者と普段から小さなリフォームなどで繋がりを持っておくと安心です。
なお、保険に関する申請手続きは、あくまで加入者本人が行うものと決められています。
そのためリフォーム業者が書類作成のお手伝いはできても、申請そのものはできないため注意しましょう。
必要書類を保険会社に提出
種類が揃ったら、申請書を保険会社に提出します。
一般的には、保険請求書、罹災証明書、被害状況の写真、修理にかかわるリフォームの見積書や請求書などです。
保険会社の調査・鑑定
申請された内容をもとに、保険会社から鑑定人による現地調査が行われます。
申請された内容と被害状況、修理費用が妥当かどうかなどを判断します。
保険金の決定と入金
調査・鑑定に特に問題なければ、保険金の決定と支払いが行われます。
通常は指定口座に振り込み入金です。入金されることにより保険請求の手続きは完了です。
リフォーム工事開始
保険を利用してリフォームを行う場合、保険金が支払われたタイミングで工事を開始します。
まずは、加入保険の補償内容を確認することが大切です。
また、リフォーム費用の見積もり作成も申請書類を準備する間に同時進行しておくと、スムーズに申請手続きを進められます。
まとめ
今回は、台風被害でのリフォームの費用相場や、利用できる火災保険の補償内容、申請の流れと注意点などについてご紹介しました。
近年は秋に限らず、夏から台風の影響が出てくるようになりました。
集中豪雨によりどの地域でも水害にあうリスクはあります。
日ごろから加入している火災保険の補償内容を確認し、いざというときにどこに連絡すればよいか、リフォームの依頼先も含めて確認しておくとよいでしょう。
- 2023年08月30日