お風呂の床だけリフォームは可能?施工方法や注意点も解説!
お風呂の床に傷をつけてしまった、劣化が気になる、床が冷たい、滑って危ない…
など、お風呂の床だけをリフォームしたいと考えている方も多いと思います。
お風呂は1日の疲れを癒す大切な場所ですが、同時に事故や急病の起こりやすい場所でもあります。
快適に使用できるお風呂のために、安全面にも配慮したメンテナンスをお勧めします。
お風呂の床をリフォームするには?床だけリフォームも可能!
システムバスと※従来浴室、どちらも床だけをリフォームする事が可能です。
不便な部分の問題解消や、部分破損の修復などが目的の場合は、お風呂全体をリフォームするより費用を抑える事ができます。
※従来浴室:家の基礎に合わせて作られたタイル張りの浴室
目次
塗装・コーティングする
一般的に、あまり知られていませんが、浴室の床は塗装する事が可能です。
目立つ傷ができてしまった。カルキ汚れが落ちなくなってしまった。などのお悩みを解決する事ができます。
傷ができてしまった場合、その部分にカビが発生し、床材に根を張って繁殖してしまうと、なかなか落とす事ができません。
大きな破損でなければ、傷を修復して塗装で仕上げる事が可能です。
塗料の種類も豊富で、既存の浴室に合うものが見つけやすいという利点もあります。
タイル張りの床や、経年劣化によって滑り止め効果の薄れてしまった床の修復には、滑り止め専用の塗料がおすすめです。
塗装するだけで手軽に滑りにくい床に仕上げる事ができます。
シートを重ね張りする
床だけをリフォームする場合、最も多く施工されている方法です。
既存の床に重ね張り用の床材シートを張ることで、手軽に床を新しくする事ができます。
大きな破損など、問題がない限り、樹脂・タイル・FRP(繊維強化プラスチック)全ての床に施工可能です。
DIY用のシートも売られているため、自分で施工する事も可能です。
しかし、お風呂の床は、シャンプー等の汚れなど、油分が残っている可能性があるため、入念な下処理が必要です。
汚れが残ったまま施工してしまうと、すぐに剥がれてしまい、せっかくDIYで仕上げても余計な費用がかかってしまう事になります。
一度プロに相談して、費用を比べてみる事をおすすめします。
タイル張り(在来風呂)の場合は張り替え・重ね張りをする
タイル張りの床は破損してしまうと大変危険なため、早急な補修が必要です。
破損部分のみの補修や、全体の張り替えも可能です。
重ね張りをする事も可能ですが、既存の床に基礎を塗り直し、その上からタイルを張るため、ドアの間口と床の段差がない場合、重ね張りの施工はできません。
お風呂を丸ごとリフォームする
床だけでなく、壁のひび割れや、浴槽の劣化が見られる場合、一度に全体をリフォームした方が費用を抑えられます。
お風呂の床や壁に、ひび割れが見られる場合は早急な補修が必要です。
湿気や水が外へ漏れ出すと、木材の劣化を早めてしまい、大掛かりな補修工事をしなければいけなくなってしまうため、不自由なく使える場合も一度プロに相談をしましょう。
お風呂の床をリフォームするメリット
お風呂の床が新しくなると、様々なメリットがあります。
毎日の入浴が快適になり、家事の負担軽減などにも繋がる事も。
転倒防止につながり安全性が高まる
お風呂は狭い空間のため、転倒は非常に危険です。
浴槽のフチやカウンターに頭をぶつけてしまうと、大怪我に繋がります。
滑りやすくなってしまった床は、床材の張り替え、トップコートの塗布などで簡単に滑り止めを行う事ができます。
「ヒヤッと」を経験する前に、対策をしておきましょう。
素材によって掃除が楽になる場合も
タイル張りの床や、古くなった樹脂の床は汚れが落ちにくく、掃除をしてもすぐに赤カビが発生してしまう事もあります。
抗菌効果や、汚れの落ちにくい加工がされている床に変更する事で、掃除が楽になり、家事負担の軽減につながります。
お風呂の寿命は?損のないリフォーム計画のコツと注意点
床の劣化が気になり、リフォームを検討している場合、そのほかの部位を点検してからリフォームの計画を立てましょう。
せっかく床を新しくしても、数年で他の部位にリフォームが必要となってしまう場合もあります。
水栓やシャワーの取り替え、壁や浴室の補修、その他、工事のたびに出張費などもかかるため、浴室を丸ごと交換した方が費用が安く済む可能性があります。
部位別の寿命と取り替えの必要な劣化症状
浴室の部位 | 寿命目安 | 症状・交換方法 |
水栓・シャワー | 5〜8年 | 【シャワーの穴に汚れが詰まり取れない、カルキ汚れが落ちない、繋ぎ目から水漏れしている】DIYで交換が可能。適合の心配がある方はリフォーム店などに依頼することがおすすめ。 |
換気システム | 10〜15年 | 【換気の音がうるさい、換気の吸い込みが弱い、24時間換気をしているのに年々カビが増えている】換気システムの交換を検討している場合、大掛かりな工事となるため、浴室全体の劣化状況を点検してから相談することをおすすめします。 |
床・壁 | 15年〜 | 【パッキンのひび割れ、タイルの破損、汚れが落ちない】設置から数年の場合は塗装や張り替えなどの対応も可能。10年以上経っている場合は全体リフォームがおすすめ。 |
浴室ドア | 8年〜 | 【パッキン、ドアクッションのひび割れ、開閉の動きが渋い】ドア全体の取り替えが必要。設置から数年の場合はパッキンのみの販売をしている可能性もある。ドアの年式が古い場合、開口部分の間口変更工事などが必要になる場合もある。 |
浴槽 | 15年〜 | 【汚れが落ちない、ヒビが入っている、表面のコーティングが剥がれ、入り心地が悪い】浴槽塗装、または浴槽の取り替えが必要。取り替えの場合、形状などによって、浴室全体リフォームが必要な場合も。 |
給湯器 | 10〜15年 | 給湯器の場合、急に使えなくなってしまう事がほとんどです。在庫や工事日の確保で数ヶ月待たなければいけないという場合もあるため、設置から10年程度で交換の検討が必要。 |
その他部品 | 棚やタオルかけなどが壊れてしまった場合、メーカー推進の物でなくても設置が可能です。排水部分も適合する物を調べ、ホームセンターなどで購入することができます。 |
浴室リフォームの注意点とポイント
浴室の劣化状況によってリフォーム方法を検討する必要があります。
ポイントをしっかり抑えて後悔のないリフォーム計画を立てましょう。
長期的なコストパフォーマンスを考えて計画する
コストが抑えられるため、部分リフォームを希望する方も多いですが、何度もリフォームを繰り返すことで無駄な費用がかさんでしまいます。
浴室全体の劣化状況をよく見て判断しましょう。
リフォーム店へ相談に行く際は、浴室の全体と劣化部分の写真を撮って持参すると、相談がスムーズに進みます。
施工事例を確認できる業者に頼む
ホームページなどで施工事例を確認できる場合は、しっかりと見ておくと安心です。
電気工事、水道工事が必要な場合は、複数の業者が出入りします。
信頼のできる業者へ依頼してください。
見積もりは複数の業者に依頼する
現場調査なども必要なため、少々手間がかかりますが、複数の業者へ見積もり依頼をすることをおすすめします。
ただし、価格のみで業者を選んでしまうと施工後、トラブルに合う事もあります。
見積もり項目が、〈浴室リフォーム一式〉など、簡単で詳細が載っていない場合は注意が必要です。
後から追加費用を取られた、などのトラブルに合わないよう、項目の確認をしっかり行なってください。
リフォームの見積もり項目は、専門的な内容で、見てもわかりにくい部分がありますが、複数に依頼することで見比べることが可能です。
リフォーム工事の場合、施工中に予想していなかった追加補修が必要になる場合も、もちろんあります。
その場合、通常は説明をしっかりして、了承を得てから施工に入ります。
万が一、勝手に施工されてしまった上、追加費用等を請求された場合は、消費生活センターへ問い合わせしましょう。
契約内容をしっかり確認してから解約を結ぶ
契約書に判を押す前に、契約内容をしっかり確認しましょう。
施工内容はもちろん、施主側に不利益となる内容が記載されていないか、施工後の保証内容も確認してから契約を結んでください。
マンションの場合は管理会社の許可が必要
マンションの場合、管理会社や組合の許可がないとリフォーム工事が行えません。
申請から承諾まで長い時間がかかる場合もありますので、スケジュールを組む前に確認が必要です。
浴室リフォームの手順
- リフォーム業者へ相談
まずは相談に行ってみましょう。
手順やアドバイスを聞いて、業者の雰囲気なども確認します。
- 現場調査・仮見積・プラン作成
実際どんな工事になるか確認するためには現場調査が不可欠です。
調査を行う時間が短く、簡単すぎる場合や、現場調査をせずにプランを進めてくる業者には注意が必要です。
- ショールーム見学
床リフォームのみの場合、サンプルの取り寄せで進めることが可能ですが、浴室リフォームとなった場合は、ショールームへ見学に行く必要があります。
アドバイザーの方が希望を元にリフォームプランを作成してくれます。
- 正式な見積もりを作成
必要な施工と希望の商品が揃うと正式な見積もりが発行されます。
- 契約
見積もり内容と契約内容をしっかり確認して、契約を結びます。
- 工程のチェック・管理会社への報告・ご近所挨拶
工事のスケジュールを組んでもらいます。
マンションの場合は日程を組む前に管理会社に申請が必要です。
スケジュールが決定したら、ご近所挨拶に回ります。
トラブルにならないよう、挨拶回りは必ず行いましょう。
- 施工
スケジュールをもとに施工を行います。
- 完了後検査・引渡し
業者が完了検査を行います。
異常がなければ、引渡しとなります。
引渡しのサインをする前に、施工箇所をしっかりと確認しましょう。
まとめ
今回はお風呂の床をリフォームする際のポイントや注意点、施工手順を紹介いたしました。
お風呂は、大量の水を使う住宅設備です。
木造の住宅は水に弱いため、お風呂の劣化は住宅の劣化に繋がります。
また、転倒事故やヒートショックなどの健康被害も心配されるため、不便を感じる場合は早めのリフォームをおすすめします。
- 2024年04月30日